困ったノーショー客(No Show)の対応
レストラン業界でも問題になりましたが、ノーショー(No Show)とは予約日にチェックインに来なかった状態を言います。
つまり予約をほっぽかされることです。
例えば、
1月1日から1泊の宿泊予約をしているAさんが待てど暮らせど来ず、
とうとう1月2日の朝になってしまった場合、ほぼノーショー(No Show)と言えるでしょう。
原因はキャンセルし忘れが殆どですが、中にはそもそも予約すらしてないと言い張る人もいます。
困ったものですね。
もちろんホテルとしては本来売りたかったお部屋を売れずじまいになってしまったので、そこんとこの保証が欲しいところですよね。
基本的には1泊分の宿泊料金がペナルティーかと思いますが、先方のミスということを双方が認めている状況であればキャンセレーションはすんなり請求しやすいでしょう。
追跡業務
通常のノーショー予約の追跡調査は宿泊予約が担当します。
なぜならエージェント等の宿泊が代理店の場合もあり、総合的に管理は宿泊予約が通常の業務としてやっているからです。
更にはホテルとして予約経路や経緯を把握できる部署でもあるからです。
追跡調査ではNo Showとなってしまった原因がどこにあるのかを調べます。
その結果、請求できるかどうかを判断します。
個人のお客さんの場合とエージェント(代理店)の場合がありますが、
電話やメールなどで人為的ミスの有無を調べます。
ホテル側で原因が見つからない場合、個人のお客さんなら直接連絡しエージェント経由の予約なら先方に知らせます。
代理店側はお客さんから請求できると判断した時にホテル側に支払うと言ってくるでしょう。
ちょっと悪質な代理店だと知らぬ存ぜぬを通して、結局こっちが泣き寝入りって言うことも稀にあります。
そういう場合はセールスのチャネル担当にそういったことがあった旨を伝えておきます。
ですので宿泊予約の担当者は、メールなど後々証拠になるものを残しておく事がとても大切です。
ノーショーかな?見極め方
当日この予約のお客さんがほんとに来るのか来ないのか、見極める仕事は現場のスタッフです。
現場の状況を見ながら、まだ来ないお客さんに注意します。
もしお客さんが荷物を預けに来ている場合は到着が遅れているだけとみて良いでしょう。
他にノーショーのポイントとしては予約作成日を確認すると良いでしょう。
1ヶ月とか2ヶ月前に作られた予約の場合忘れられている可能性が高く。
逆に昨日や一昨日など直近で作られた予約の場合は来る可能性が高いです。
また支払い方法も1つの鍵となります。
もしご予約が現地払いで作成されてあればノーショーになる可能性が高いでしょう。
逆に既に支払い済の予約であれば来る可能性はかなり高くなります。
この場合は部屋を残したほうが無難です。
なぜならすでにお客さんはその部屋を買っている状態になるので、
勝手に取り消してしまう事はできません。
朝方来てちょっとだけ滞在する事も十分ありえます。
ノーショーの見極めは、実際に来る可能性をいろんなヒントをから推測していきます。
ノーショーになったら
もしお客さんが来なければそのお部屋はリリースとなりますが、
お部屋の手配等が既にされている場合もあるので、ハウスキーピングやルームサービスのスタッフに必ず連絡を入れましょう。
別のお客さんの予約にアサインをあてがう前にしっかり部屋の状況を確認します。
また、お客さんのデータベース上プロファイルにノーショーの記録を残しましょう。
追跡結果も記録し、万が一の常習化に繋がらないよう、対策をします。
ノーショーに絡んだクレーム例
あるホテルで予約してないのにノーショーになり、キャンセル代を請求されたというクレームのお話をします。
ネットのエージェント経由で知らない予約をされていて、その予約がノーショー(No Show)になりキャンセル代を請求されたと言う、そんなって感じ内容ですが実際にありました。
50代くらいの女性で電話で三十分、さらに直接ホテルに来館しフロントで1時間クレームをいい続けたそうです。
詳細を聞くとその人はホテルの予約すらした事はないと主張しました。しかし予約は事前決済であり既に登録したクレジットカードで決済が完了して、さらにオンラインエージェントからホテル宛の送金が終了していました。
オンラインエージェントで事前決済をするにはまず自分でしか実行出来ないシステムになっているのでIDやパスワード、さらにはクレジットカード情報がない限り本人以外では実行が難しいのは明らかなのと、それをホテル側に文句を言うという複数の矛盾を棚上げしてホテル側に食ってかかってきたそうです。
どうしてくれるんだ!
ホテルに詐欺されたと言いふらす!
と険しい剣幕で言い出す始末
明らかな矛盾点があるにも関わらず
結局ホテル側はしつこい主張に応じ返金しました。
対処法
そもそもホテル側とお客さんのあいだに売買契約はなく、オンラインエージェントとお客さんとの間に成立しているので、ホテル側にお客さんとこの件に関してやりとりをする必要は無いというのが結論だと思います。
オンラインエージェントのお客様コールセンターなり、なんらかの連絡先を渡してこちらでは何もできませんと主張するのが良いでしょう。
また、本人確認も実際の個人情報を持っているオンラインエージェントが確認するものなので下手にこっちが首を突っ込むべき事案ではないと思います。
万が一詐欺にあったと言うのであれば今度は本人は警察に被害届を出すところからスタートすると思いますし、そうなると実際のホテルはかなり遠いところに立ち位置があるので介入すべきではないと結論できます。
でも世の中にはもめる人がいてネット上のエージェントと実際の宿泊先の双方にクレームを入れる人がいます。
ここからクレームの仕方にもよるのですがあまりにもひどい場合は、威力業務妨害(長時間拘束)となる可能性があるので状況に応じて対応を変えていく事が出来ます。しかし企業としてこのような明らかに矛先が違うケースには毅然と対応しホテルの財産を守るべきだと思います。
まとめ
宿泊業はその場で商品を受け渡すようなものではなく、実際の宿泊をもって料金をいただいてます。
しかし予約をする以上は施設側は商品を押さえており、それに対する規定もある以上キャンセレーションを請求して然りです。
ノーショーに限りませんが、事実確認や証明が必要なので記録を残すようにしてレポートにまとめることが重要です。
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